室長の思い
平成21年春
株式会社 菱 電
グリーンエネルギー室長
田中克典
 「君がそこまで良い製品だと確信しているなら、自分で太陽光発電システムの取り扱いを開始したらどうだ?」(株)菱電の松永社長から掛けられた言葉に、一瞬言葉を失っている自分が居た。

 平成20年4月、某銀行で融資担当者だった私は、太陽光発電の将来性を確信し、自らの取引先(株)菱電に「太陽光発電システムの販売を開始すること。ついては自分の銀行から融資させて欲しいこと(いわゆる融資セールス)」を展開している最中のことでした。

 私は平成8年に自宅の新築を決意した際、太陽光発電について真剣に検討し、南面に十分な屋根をとるよう設計もしましたが…、結局価格面(当時、3.5kW出力=総事業費6.5百万円で補助金2.8百万円)から設置を断念した経緯があり、その後は事ある毎に、太陽電池関連の記事に関心を持ち続けておりました。平成9年9月に自宅は完成しましたが、以来「いつの日か、我が家の屋根で太陽光発電を…」と思いながら、我が国の太陽光発電を取り巻く環境が全く進展しないのに、憤りを感じていました。

 我が国の太陽光発電市場は、国の補助金が平成17年(2万円/kW)を最後に打ち切られた後は壊滅状態であり、太陽光発電に取り組んでいるのは、電力業界か環境意識の高い一部の方々のみという状況でした。

 ヨーロッパ各国が、環境問題から太陽光発電の育成に力を注ぐ中(国内の太陽電池メーカーは製品の大半を海外輸出)、太陽光電池は日本で製品化した画期的な製品でありながら、自国に販売市場のない特殊な製品というイメージが付きまとっていました。

 エネルギー資源の乏しい我が国こそ、自らの手でエネルギーを作り出せる太陽光発電は最適な手法だと思われたのですが…、「なぜ政府は太陽光発電を育成しないのか?」長年疑問に思いつつも、いずれ将来の導入は間違いないと希望は持ち続けていました。

 平成19年の秋あたりから始まった資源価格の高騰は、平成20年の春先になっても留まる気配も無く「エネルギー確保の必要性から太陽光発電は必ず脚光を浴びるはずだ!」と確信した私は、太陽電池を製造している各メーカーを再度調査し直しました。その結果、インバータ技術に秀で、太陽光発電システム(太陽電池を並べたモジュールと、交流電気を取り出すパワーコンディショナの一体性能)で抜群の性能を発揮していた三菱電機(株)の製品が最良だという結論を得たことから、地域で同社製品を取り扱う(株)菱電に出向き、冒頭の提案を繰り返していたのです。

 私が三菱電機の太陽光発電システムが最良だと結論付けたのは以下の理由です。
  1.多結晶シリコンの太陽電池を使用していること。
  2.パワーコンディショナの性能が抜群であったこと。
  3.企業文化が一流で、製品開発に信用がおけること。

 薄膜系と化合物系の太陽電池は、発電性能と製品としての未成熟さや耐久性能の面から、国内の個人住宅向けには不向きと思われました(有機物系は、まだ開発段階で検討材料にもならない)。残るは、既に20年以上前から製品化されている結晶系が最もふさわしいと判断。

 まず最初に単結晶シリコンを使用し、セル単位あたり最高の発電性能の製品に目が行きましたが、高価な事や、アモルファス(耐久性に疑問有り)と単結晶シリコンの複合製品であったこと、また製造元が過去に公証出力を偽った製品で回収騒ぎを起こしていた事実があったことで断念(東海道新幹線に乗るたびに「すごいな!」と思って眺めていたのに…あれが回収製品のなれの果てとは…)。

 次に多結晶シリコンを使用し、販売力業界No.1の会社の製品を検討しましたが、セル単位での発電性能を比較した時に凡庸な製品であったこと。パワーコンディショナの性能(変換効率)が低いため発熱が酷く、ファンによる強制冷却の騒音問題から、パワーコンディショナの屋外設置が必須であったことから断念。

 最後に、既に永年の発電実績があり性能の安定した多結晶シリコンを使用し、標準品で塩害地域での使用や、多雪区域での使用が可能な三菱電機の製品にたどり着いた次第です。また同社製品が、直流を交流に変換するパワーコンディショナの性能が一番優れていたことも、大きな決め手となりました。お客様の屋根の上で、何十年も発電するであろう製品ですから、本当に良い製品だけを扱いたいと考えてたどりついた私の結論です。

 勤めていた銀行がやはり同系列であったことから、企業文化も馴染み易かったのかもしれません(性能は良いが、宣伝・販売は少し弱い風土?ですが…笑)。

 太陽光発電システムは、システムの総合力で電気を生み出しており、有効に利用できる電力を取り出すためには、モジュールとパワーコンディショナの両方が高性能でなければならないのです。

 モジュール(または太陽電池=セル)の性能を宣伝する会社は世界中に多くあります。現在では、始動ボタンを押せばモジュールが自動的に生産可能な装置が多く売られており、太陽電池メーカーになるのも簡単です。しかしながら、一方のパワーコンディショナについては、細かな技術的な集積(インバータ制御技術の積み重ね)が必要であり、一朝一夕には性能向上ができないという事実があります。三菱電機は産業用のインバータ技術で世界一の企業であり、その技術がパワーコンディショナに注ぎ込まれているのです。

 皆さんには、単にモジュールの性能を比較するだけでなく、発電システムとしてのトータル性能を比較してもらいたいものだと思います。ぜひ三菱電機の太陽光発電システムをご検討下さい。

 あなたなら、人工衛星の太陽電池モジュールのみを作っている会社と、人工衛星を元受けできる会社と、どちらの会社の商品を選びますか?

 さて、(株)菱電の社長から冒頭の言葉を言われた時期、平成20年4月頃は資源価格の連日の高騰と、洞爺湖サミット開催前で環境関連記事が増え、太陽光発電が脚光を浴び始めた時期でした。

 社長に「良い製品だと確信しているなら、自分で太陽光発電システムの取り扱いを開始したらどうだ?」と言われたことで、それまで自分自身が太陽光発電に対して抱いていた希望が、本当の確信に変わっているのに気付かされました。この太陽光発電システムを普及することで、私にも地球環境に貢献する手伝いが出来るかもしれない…。以後は迷うことなく、すぐに銀行に退職願いを提出し、太陽光発電システムの取り扱いをすることだけを念頭に突き進んで参りました。

 私にこの事業取り扱いのチャンスを与えて下さった社長を始め、社員の皆様、また退職を快く承諾いただいた銀行の方々・家族、本当にありがとうございました。最良の製品(商品)に出会い、心置きなく前向きに働いていきたいと存じます。

 世の中は不景気ですが、アメリカのオバマ新大統領の誕生で、世界のエネルギー事情は加速度を付けて変化してきています。わが国でも平成20年度補正予算の成立で、1月より太陽光発電に対して国の補助金も復活しました。また太陽光だけでなく、今から誕生するであろう、様々な自然由来のエネルギー(グリーンエネルギーと呼ばれ始めています)の利用で世界は確実に変わって行くと確信しています。当室の活動範囲が電気分野だけでなく、これらグリーンエネルギーの取り扱いに発展できるように、部署を「グリーンエネルギー室」と名付けました。

 当面は太陽光発電システムの普及に邁進しますが、近い将来に当室としてグリーンエネルギーでの提案も出来るように、これからも前向きに勉強を続けて参ります。地域の皆様方、どうぞよろしくお願い申し上げます。